筆文字クラブ 第3回

「ありがとうの花束」
みんなの質問とコツ

2026年8月24日
顔彩で描いたありがとうの花束
顔彩で描いたもの
カラー筆ペンで描いたありがとうの花束
カラー筆ペンで描いたもの

先日はありがとうございました。

作品を見せてもらいながら、みんなから出た「うまくいかなかったところ」に答えていったのですが、同じところで悩んでいた人が何人もいました。

その場にいた人も、他の人の話まで聞ききれなかったと思うので、出てきたコツをまとめました。

参加できなかった方も、これを読んで書いてみてくださいね。

1. 全体をきれいにぼかすほど、文字が浮いてくる

「ありがとうを消したいのに、消えない」

これが一番多かった質問でした。

実は、全体を同じ薄さでぼかすと、かえって文字だけが浮きます。フィルターが一枚かかったような状態になって、その上に文字が乗って見えるからです。

消したいときは、逆のことをしてみてください。濃く残すところと、水でうんと薄めるところを作る。濃淡ができると、目が文字ではなく色の方に行くようになります。

リースの中に赤い実がひとつあると、そこに目が行きますよね。あれと同じです。

2. 消したくて何度もこすると、逆効果

「消えなくて、ずっとこすり続けてしまった」

ぼかすなら書いた直後、乾ききる前が一番よくぼけます。

時間が経ってからこすり続けると、かえって色が沈んで、線がはっきり出てくることがあります。

3. 葉っぱの緑と、花の赤系は混ぜない

「色が全部混ざって、汚くなってしまった」

赤系と緑が混ざると、どうしても濁ります。葉っぱの緑は外側にだけ置いて、中のピンクや紫とは混ぜない方がきれいです。

どうしても隣り合わせになるときは、間に黄色を細く入れてみてください。黄色はピンクとも緑とも混ざれるので、間に入るだけで濁らなくなります。

4. 揃えるほど、花束から遠ざかる

「花束っぽくならない」「単調になってしまう」

丸の大きさ、隙間の空き方、「ありがとう」の頭の高さ。これを揃えるほど、扇の骨みたいになって単調になります。

水筆で丸を書く時に、大きい丸と小さい丸を混ぜてみてください。隙間もいろいろ空ける。ランダムを心がけると花束らしくなります。

それと、ひとつの「ありがとう」を、上から根元まで全部引っぱらなくて大丈夫です。途中で止まっているものがあってもいいんです。全部が下まで伸びていると、そこも揃ってしまいます。

それと、花束は真ん中だけでなく、横や下にも葉が出ています。両側が同じ太さの緑でまっすぐ下りていると、囲みのように見えてしまいます。あとから外側にちょっと緑を足すだけで、花束らしくなります。

5. 消えすぎ・残りすぎは、間違いではありません

「残りすぎでしょうか」「消えすぎでしょうか」

どちらも好みの問題です。文字を残したい人もいれば、消したい人もいます。どちらが正解ということはありません。

それに、書いている本人は「ありがとう」と書いたのを知っているので、残って見えます。でも見る人はそこまで気になっていないことが多いです。

気になったら、あとから足せます。濃い色を一色足す、ゴールドで小さく飾りを入れる、赤の細いくるくるでリボンを描く。一発で仕上げなくて大丈夫です。

※ 赤やゴールドを足すときは細く。太いと浮きます

6. 道具と紙で、残り方がかなり変わります

「私だけ残るのはなぜ?」

カラー筆ペンは、メーカーによって残りやすさが違うことがあります。

DAISOのカラー筆ペンは、これには適していません。

ラメ入りのぺんてる デュアルメタリックブラッシュは、線がしっかり残ります。

紙も同じです。水彩紙と書いてあっても、種類によって滲み方が違います。ヴィファールの紙の方がうまくいったという声もあったので、気になる人はやってみてくださいね。

7. 文字を出したくない人へ

「どうしても字が主張してしまう」

3つ方法があります。

ひとつ目は、崩すこと。読める字より、崩した字の方が絵になじみます。

ふたつ目は、小さく書くこと。「ありがとう」を小さめに2つ書くと、1つを大きく書くより字が目立ちません。

みっつ目は、水筆で色を伸ばしすぎないこと。伸ばすほど全体が同じトーンになって、かえって文字だけが浮いてきます(1番と同じ話です)。

今回、みんなの作品を見せてもらいながら話していたら、技術の話ばかりになってしまいました。

筆セラピーは本来、心を落ち着ける時間です。上のことは全部、忘れて書いてもらって大丈夫です。

「ありがとう」と書いていたら花束になった。絵が描けなくても、こんなふうになるんだ。そこが一番おもしろいところだと思っています。

作品として仕上げたくなったときだけ、このまとめを見てみてください。

またご一緒できるのを楽しみにしています。